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八代探訪 山崎摂さん

Vol.2 伝えたい、日本美術の素晴らしさ

2014年5月8日

文化財の仕事をしていると「山崎さんは歴女ですか?」とよく聞かれます。

大きな声ではいえませんが、実は私は「美」女なんです。

日本美術の素晴らしさを知りたい・伝えたいと思って学芸員になりました。

今、まさに市博物館で「京都相国寺と金閣・銀閣の名宝展」が開催中。京都の格式の高いお寺の敷居はそれはそれは高く、九州の県庁所在地でもない小さな市の博物館に宝物を貸してくれるなんてありえないこと。

奇跡のような展覧会が実現したのは、2011年、相国寺と茶道資料館で、八代城主・松井家の名品展が行われたのがきっかけです。
能面・能装束、茶道具や千利休の絶筆など展示され、観覧者は2万人を越えたそうです。
そもそも、相国寺を建てた足利義満は、能の大成者である観阿弥・世阿弥を応援し、能を発展させた将軍。能の発祥地ともいえる場所から、松井家の能を紹介したいとわざわざ望まれたのはどういうわけだろうと調べたところ、1964年(昭和39年)、京都国立博物館で「能面と能装束」という特別展が開催され、松井家の能装束14点が出品されたことがわかりました。

1964年といえば、東京オリンピックがあった年。日本の誇る能という芸術を世界に知らしめた展覧会でした。
そんな重要な展覧会で出品総数160点のほぼ一割が八代からだったとは!!! 松井家の能コレクションはそんなに すごかったのかと再認識した次第です。

松井家だけでなく、八代城下の人たちも能に親しみ、その水準はかなり高かったそう。奇跡のような展覧会は、能の名声が高かった八代だからこそ、招きよせた先人たちからの贈り物です。ぜひ、見に行っていただき、日本美術の最高峰に触れてください。

平成26年度春季特別展覧会 京都相国寺と金閣・銀閣の名宝展
関連リンク:
平成26年度春季特別展覧会 京都相国寺と金閣・銀閣の名宝展 八代市立博物館 未来の森ミュージアム
八代市公式ホームページ

(「京都相国寺と金閣・銀閣の名宝展」4月25日~6月1日 八代市立博物館)

yamasaki
山崎 摂
八代市文化まちづくり課文化財係長
佐世保市生まれ。九州大学で美学美術史を専攻。専門は工芸史。
1991年八代に来る。
前八代市立博物館学芸員。松井文庫の能面・能装束、雛人形、婚礼調度などの調査・展示に携わる。
Facebookで八代の歴史と文化を発信中(「文化発信!やつしろStyle」)。